「業物語」の話(ネタばれあり)
降雪2日目。
布団の中にいても寒さを感じるって経験は初めてかもしれない。
寝ても起きても超寒い。
世間じゃ今日から平日でうちの親も朝早くから出勤した。
バスが動いてないから徒歩で、4kmの道のりを、一時間半かけて。
そんな親を尻目に今日もインドアに徹していたけれど。
完全な引きこもり2日目になると流石にやることもなくなってくる。
いつもならジムに行って、ギター弾いて、申し訳程度に勉強する、ってのが日常だけれども、どれも寒さのせいで何一つ手につかない。
ずっとこたつむり
休校の妹もとなりでこたつむり。
勉強しろよ、勉強を。
自分が言えたことではないけれど。
だから2週間前に出た「業物語」の読んだ。
紙媒体の本は買わないと決めていたけれども、電子書籍特有の発売までのタイムラグのせいで早々に妥協した。
本当にどうにかならないものか。
表紙が忍野忍ということもあって、全4編
- うつくし姫
- あせろらボナペティ
- かれんオウガ
- つばさスリーピング
の中の序盤2つに関しては忍のエピソードだった
といっても最初のうつくし姫に関しては忍のヒロイン本で既に読んでいたのだけれど。
あせろらボナペティ
忍の生い立ちに関しては前章や「続・終物語」でなんとなく示唆されていた。
曰く、周囲が死にたくなるほどの暴力的な美しさ。
居るだけで周囲が勝手に死んでいくので移動するだけで何個も国を滅ぼしている設定
そしてそのせいで餓死寸前まで追い込まれた吸血鬼。
デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター
決死にして必死にして万死の吸血鬼、らしい
西尾維新は凝ったような名前を付けるのが本当に好きみたいだなぁ。
「スーサイド」の意味は自殺らしい、知らなかった。
ざっくりいうと、吸血鬼がうつくし姫(忍)を捕食するために彼女の怪異性を無くすように奮闘する、っていう話だった。
その方策というのがうつくし姫の人格矯正だったわけだが。
衰弱しながらも、うつくし姫のために不器用なりに心を砕いて接する姿は「これ、どこのラブコメ?」って感じた。
舞台が巨大な城っていうのも「美女と野獣」を連想させたし。
もっとも、こちらはヒーローとヒロインの立ち位置が逆だし。
そして、スーサイドマスターの苦心の成果、今の忍の人格と吸血鬼性が生まれたわけだけれども、そこにたどり着く過程で本当はここでくっついてしまったほうがよかったんじゃないか?とおもった。
結局、姫はスーサイドマスターの元からまた出て行ってしまうのだが・・・
そして最後の1行にささやかなどんでん返し。
もし、アニメ化するとしてどう表現するんだろう。
ネタとしては「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」と全く同じだったけれど。
・・・いや、普通に表現できるなぁ。
かれんオウガ
空手の師匠から免許皆伝(もしくは破門)を言い渡された火憐ちゃんが滝行を行うためにトレッキングをする話。
アニメで誇張された戦闘シーンのせいで軽装でも日帰りで帰ってきそうなイメージがあったけれど、変なところで現実的。
中学3年生らしく変に無知で軽率で、そこそこの体力。
結局
- 地形図と地図の交換
- 熊との遭遇
- 岩山からの転落
- 食べられる野草の指南
の4回、陰に潜んでいた忍の助けを借りていたし。
登場の度にイトコと言いはる忍と鵜呑みにする火憐ちゃんの掛け合いが可笑しい。
結局、当初の目的であった「自分を見つける」の答えは何だったんだろう。
読解力が貧弱なせいで一度読んだだけでは読み取れなかった。
つばさスリーピング
バサ姉が南極で忍野メメを発見した後、日本に戻ってくる「依頼」の頭金として各国を回った途中で遭った怪異譚を聞かせる話。
端的に言うと、ドイツで、ドラマツルギーと、双子の吸血鬼に食べられそうになった話。
ただこれに関してはあまり好きな話ではなかった。
読み手も聴き手も淡々としているせいか、話に山が感じれない。
締め方もご都合主義って感じで、なんだか腑に落ちない。
でもまぁ、最強キャラをぶつけてみたらこんな感じになる、っていうのは面白かった、気がする。
この2人の組み合わせは色々と便利みたいだし、続編の含みも持たせているのでまだまだ南極での語りは続きそう。
というか、一刻も早く行ってやれよ、忍野
この茶番のせいで結局余裕なくなって、アニメ最終話で隈作ったバサ姉が地上波にさらされることになってしまったんだから。