業界研究の話
昨日、後輩から「業界研究のやり方を教えてください」とLineがきた。
業界研究、懐かしいなぁ。
昨年の今頃は広告業界1本に絞って教授のつてで天文館の広告事務所にスーツで話を聞きに行ったっけ。
そこでまた「業界研究ができていない」って怒られたんだけれど。
その人曰く業界研究は
- 業界地図(シェアトップ3とか)
- 仕事内容にかかわる専門知識
- 職種の歴史
なんかを軸に据えて調べるべき、らしい。
それをもとにそれから5月ごろまで広告業界について本を買ったり説明会に足を運んで調べていたんだけれども・・・
とある会社の面接を受けた時に、フィードバックをもらったことがあった。
そこは広告の中でも人材+広告みたいな会社だったんだけれども(しかも割と大手)
そこで言われたのは「調べてきているのはわかるんだけれども取りたいとは思わない」だった。
曰く、業界全体のシェアや通り一遍の仕事内容みたいなことは求めていない、らしい
そういうのは企業の説明会に参加したり業界地図とかを一目見るだけで、誰でも得ることのできる知識だから。
人事がとりたいのは面接の場でそんな毒にも薬にもならない知識を披露できる学生ではない。
知識どまりにしているんではなくその先、具体的な仕事内容や苦しいことまで想像して自分の言葉でアピールできる人間なんだと。
例えば人材業界でいえば
- 企業の求める人材のニーズを聞き出す
- 自社の手持ちの求職者の中から適切な人材をピックアップする
- 企業と求職者とを結び付けて、月々の給料の中から手数料として何%か頂く。
ってのが本や企業説明会なんかで得られる知識だ。
これは的外れってわけではないし、おおむね正しい。
こういう情報を得て、就活当初自分は人材業界へのエントリーシートに
「たくさんの人・企業と仕事をすることによって自分の視野を広げることができると考えています」みたいな志望動機を書いていたわけだけれども。
こんな自分本位で世間知らずな学生、どこも取ってくれるはずがないよね。
企業に求められる学生は同じ情報を得ても知識だけでは終わらせない。
その先、仕事内容やクライアントとの関係の裏の裏まで想像して志望動機を書く。
具体的に先の人材業界の例で言えば
- そもそもどうやってクライアントを探すのか
- よしんばクライアントが見つかったとして、企業と求職者の求めるもの(スキル・給料・その他保証)は完全に合致するのか
- 合致しなかった場合どのようにして両者を納得させるのだろうか
- 果たして自分の仕事は企業に求職者を紹介すればそこで完了するのだろうか。
ってことまで想像する。
そして十分に業界研究ができている学生はこれまでの情報で人材業界は、多くの人・企業とかかわりを持つことでスキルアップができる理想の職種などではなく、営業に多分に体力を使い、対立しあう二者のエゴ要求をなだめすかして折衷案を模索し、紹介した後も期間完了までのアフターケアまで気を配る、体力的にも精神的にもハードな職種だということを理解するわけだ。
そしてそういう暗い部分まで想像ができる、いい意味でも悪い意味でも擦れた学生なんかに魅力を感じる、「即戦力になりそう!」って思うらしい。
自分でも後者を採用するわ。
どうにも自分は「新社会人」って響きが良くないんじゃないか、って思う。
いかにもフレッシュさで推してます!みたいな感じがして勘違いしそう。
企業側としては伸びしろを重視して採用をしているけれども、やっぱり早いうちから活躍してくれそうな、酸いも甘いも嚙み分けてそうな学生がとりたいわけで。
自分なんかはそこら辺を勘違いして的外れなエントリーシートを何十枚も作成していたし。
本当、あの頃の自分を殴りたい。
戻りたくはないけれど。
そもそも新社会人って言ったって、成人してから少なくとも2年は経過している、大人としては2世代下の後輩もいるような世代だよ。
高卒で働いている人なんかはもはや中堅どころだし。
就活の場でも「学生だから」っていうような甘えは捨てて、年相応・年以上のものを求められているって意識をもって臨むべきだったんじゃないかな。
10か月前の自分は!