「海賊と呼ばれた男」の話
日曜にある「マイナンバー実務試験」の受験票が届くのを待ってた。
本当は受験日の10日前までに届くはずだったんだけれども住所の番地を間違えて書いてしまったために送り返されてしまってたみたいだ。
郵便番号は合ってるんだから遅れても届くかな・・・と思っていたけれど、郵便局って案外融通聞かないのね。
土曜日に全日本情報学習振興協会に電話したところ今日までに届かなかったら電話して、って言われたから昼過ぎまで待ってたんだけれども全然来ない。
あせって電話してみると再発送してくれるとのこと。
そしてその電話の時間後に本来の受験票が届いた。
ナイスタイミング!遅いわ。
昨日から百田直樹の「海賊と呼ばれた男」を読んでた。
この本を買ったのは就活の後半、東京駅の中の三省堂書店でだった。
次に最終選考を受ける会社の社是が「大家族主義」で、googleで検索トップに上がってきたのが出光興産と「海賊と呼ばれた男」だったからだ。
最終選考に少しでも有利になれば…とおもって買ったものの、その分量に読み切るのを諦め検索エンジンで詰め込んだ程度の知識をもって最終選考に臨んだ。
結果は…、電話が来なかったところを見るに不合格だったんだろう。
別に「あの時本を読んでいれば!」とも思わないけれど。
この本の中に登場する「国岡商店」は出光興産をモデルにしているらしく
- 馘首(リストラ)なし
- 定年なし
- 出勤簿なし
- 労働組合なし
っていう特異な会社だ。
すべては”会社は一つの大きな家族であり社員はみな家族、家族であるならば規則によって縛られるのではなく、信頼関係によってつながるべき”っていう国岡鐵造の考えによるものだ。
実際の出光興産でも同じような感じらしい。
まさに「大家族主義」
確かに店主のカリスマ性と大家族主義のおかげか、国岡商店は戦後の悲惨な状況から孤軍奮闘し、ついには石油業界で大成するまでに至る。
ほとんどの企業から疎まれながらも、利益を度外視して日本のために行ってきた業績や主人公の実力を正当に評価してくれる有力者、そしてどんな滅茶苦茶にも120%の力を振り絞ってついてくる従業員のおかげでいくつもの困難を乗り越える。
読んでいると出光興産のような大家族主義的な企業こそが正解で、そういう企業こそ発展し続けるって考えるようになる。
そして、これはフィクションだってことを忘れる。
確かに精神的なものだけをモチベーションにして限界を超えて働き続けることができる社員が8000人規模でいたら、その企業は発展し続けられるだろう。
でもこれはフィクションだ。
作中の登場人物(社員)の能力と忠誠度、体力は人間のそれって感じがしない。
他の企業の人間からも「奴らは働きすぎる」って評価されるほどだ。
現実には多種多様の人間がいて何があっても感情なんかでは働かない、っていう人やどんなに学んでも一定以上の成果は上げることができない人間も当然いる。
何より自分が国岡商店についていけそうにない。
でも、学ぶべき点もたくさんある。
先で否定しておいてなんだけれども仕事の苦楽は気の持ちようだということだ。
昨日から就活解禁したことによって企業説明会なんかがこれから全国でいくつも開催されるんだろうけれども、そこで絶対に出てくるワードが「ブラック企業」。
残業や給料・仕事内容で不満を持ち「ここはブラック企業なんだ、じゃあ辞めよう」ってなるかもしれない。
作中の国岡商店も外側から見ればブラック企業って感じがする。
でもその内情は社員教育に力を注ぎ、社員家族まで面倒を見、従業員の大多数が厳しい仕事であってもついに労働組合を結束しないほどの忠誠心を見せた。
現実の企業にそこまでの激務・責任はないだろうけれども、外側から漠然と見てその内情まで知った気になるのは早計だということだ。
また作中の社員ほど化物じみた執念や仕事内容までではなくても、壁にぶつかっても迂回するのではなく粘り強く乗り越える方法を考えるべきだ、って考えるようになった。
今調べてみるとこれ、今年の冬に実写映画化が決まってるみたいね。
今回は分量が分量だけに、全部やろうと思ったら2部作とかになりそうだなぁ。