天邪鬼ですよ

致命的に素直さに欠けるにわかサブカルクラスタの日記

「エンデの遺言 根源からお金を問うこと」の話

プロテイン生活2日目。

前回の筋トレの筋肉痛が残ってるけれども習慣だから・・・と体に鞭打ってジムに行ったものの、これだと逆効果みたいね。

炎症が起こってるときにさらに負荷をかけても効率のいいトレーニングはできないんだとか。

結局下半身のトレーニングに注力して帰ってきたよ。

次は慎重をきして3日後かな。

 

帰ってきてから昨日の「モモ」に続いて「エンデの遺言 根源からお金を問うこと」を読んだ。

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というか、読んでる途中。

現段階で全体のうちの53%までしか読めていない。

読み終えるまでの平均的な時間が4時間36分らしいし内容もめっちゃ難しいから当然か。

まぁ明日早く起きて読めば出かけるまでには読み終わるかな。

 

内容はサブタイトルの通り「根源からお金を問う」ことだった。

具体的に言えば「金が金を生む」現代の経済の在り方を批判するものだった。

お金の在り方の変化から生まれた「利子」って制度や不労所得で肥える一部の金持ちに対して「でもそれって永遠に続くはずがないし、世界全体での幸福じゃないよね」って警鐘を鳴らす本だった。

 

ミヒャエル・エンデはその著作の中で「お金」の在り方について何度も警鐘を鳴らしていたらしい。

自分が昨日「モモ」を読んだときも「近代化によって本当の意味での幸福は失われて行ってるんだなぁ」ぐらいの感想しか抱かなかったけれども、それでもまだ読みが浅かったみたいだ。

エンデが本当に伝えたかったのは「老化するお金」という概念だったらしいから。

 

この「老化するお金」

シルビオ・ゲゼルとルドルフ・シュタイナーが提唱したアイデアなんだとか。

簡単に言うとあらゆるものの中でお金だけが持ちうる「劣化しない」って特性を喪失させることでお金の在り方を正しい方向へ導こう、ってことらしい。

 

モノとお金を交換するとき、そこには対等に見えても実際には格差が生じている。

なぜならお金はいくら持ち続けていてもその価値が(基本的には)なくなってしまうことはないが、モノは程度の差はあっても経年によってその価値をどんどん落としてしまうから。

だからこそお金を持っている側はその特権によっていつまででもその購入(投資)のチャンスを待ち続けれるわけだ。

そしてその「お金の特権」を最も持っているのが銀行だ。

お金を借りる側はモノに依存している以上「今」しかお金を使うチャンスがないが、金で金を生み出す銀行はその特権を使っていつまででもお金を所持し続けていられる。

そしてその格差こそが現代経済の歪みの原因たる「利子」ってシステムを生み出している、らしい。

余談だが銀行=bank、その語源は大元をたどっていくと「安楽椅子」に由来するらしい

貸す側はさながら安楽椅子に座るかの如く悠然と待っているだけで資産を増やしていくわけだ。

 

そこで「老化するお金」だ。

ちょうど、今自分が読んでいるシルビオ・ゲゼルの章に

諸商品は老化し、錆付き、損なわれ、砕ける。我々が商品に ついて語る欠陥や損失に対応する物理的損失を、貨幣が持つようになるとき、ただそのとき、貨幣は確実で、迅速で安価な交換の用具となるだろう。

なぜなら、いかなる場合にも、どのようなときにも、貨幣が商品よりも選好されることはないだろうからである。

 とある。

要は劣化する貨幣はすべてのモノに劣るということだろうか。

現代日本でも国民の消費行動を活性化するために定期的にお金をばらまいているけれども一向に景気は良くならない。

それはお金の不変性によるものなのか。

 

この「老化するお金」のアイデアとしてゲゼルは「スタンプ貨幣」を挙げている。 

その特徴は2つある

  1. 貨幣に似ている。預金することも、投資することも、使うこともできるから
  2. 貨幣に似てない。保有されえないから

具体的に言うと紙幣の裏側に52個のスタンプを張り付ける紙幣のことである。

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毎週の終わりに保有者はスタンプをそこに張り付けなければお金として用をなさない

そしてそのスタンプを購入するにはその紙幣の金額÷52の割合の金額がかかる。

そうすれば人々は保有しているだけでは損にしかならないお金をこぞって使いだすだろう。

試算したところだと少なく見積もっても経済は今の4倍で動き出すとか。

なにせお金の保有者はそのお金の使い道を常に問われるようになるのだから。

そして銀行は保有しているだけでは損しか生まないそのお金を社会に循環させざるを得なくなるだろう。

事実、実際に過去に老化するお金を使うことで経済的危機を脱したことのある地方もあったのだから。

 

とまぁ、いいことずくめのように見えるこの「老化するお金」だけれども問題はその施行の難しさだろうか。

よくよく説明されればメリットのほうが大きいのがわかるけれども、「お金を保有しているだけでお金を取られる」と聞くとそんな制度もってのほかだ!って印象を持つ人間が圧倒的なんじゃなかろうか

そこら辺の話も後半で出てくるんだろうか。

 

ゼミ飲みの席で教授がぽろっとこぼした「不労所得なんてろくなもんじゃないですよ」って言葉も2冊読んでみた今ではその背景までくっきりわかる。

いやぁまったく、そのとおり。

卒業式まであと幾ばくも無いけれども、もう一度教授と腰を据えて話す機会を設けられないかな・・・