「ドリルを売るなら穴を売れ」の話
明日は中学校の卒業式らしく、そのため今日はその事前練習で座学の授業のほとんどがなかったらしい。
だから昨日から妹も「今日は学校に行ける」的なことを言っていたんだけれど…、そう簡単に生活習慣は変えられるものじゃないよね
案の定起きてきたのはいつもと同じ10時過ぎ、感覚がマヒしてきてるけれども中学校って登校時刻は8時なんだね。
アラームより先に親の声で目が覚めてしまった。
自分のほうはというと卒業式は木曜日だしジムは昨日行ったしで、いつも以上にやることがなかった。
だから今日も積ん読の消化をば。
読んだのは「ドリルを売るには穴を売れ」だ。
この本は昨年の今頃に教授の知り合いに「広告業界を志望するならマーケティングの勉強をしなさい」って言われたから買ったマーケティングの入門書みたいなものだ。
結構値が張る買い物だったのに就活が終わって半年以上経った今になってようやく開いた。
構成としては
- ベネフィット
- セグメンテーションとターゲット
- 差別化
- 4P(製品・サービス、広告・販促、販路・チャネル、価格)
の4つの視点からマーケティングについて例を交えて解説していってた。
章の最後には解説した理論を交えたストーリーを載せているため、理解の助けにもなる
本のタイトルである「ドリルを売るには穴を売れ」は1章の”ベネフィット”を読めば大体理解できる。
曰く、あらゆる商売は物を売っているのではなく何らかの価値を売っているらしい。
例えば一口に飲食店といっても、マクドナルドみたいな「安価で食べる」価値を提供する店から、多少値が張っても「恋人や商談相手との親交の場」としての価値を提供する店まで様々だ。
「価値」って視点で見てみるとひとくくりに「飲食業界」って言っても目線が違いすぎていてもはや別の業界なんじゃなかろうかって錯覚してしまうくらい。
帯の
お客様はモノではなく価値を買っている
っていうのはまさにこの1章を象徴しているような一文だ。
2章の「セグメンテーションとターゲット」はそれらの価値はどの層の顧客に最も効果的なのかを分析する章だ。
それは効率って面よりも「ターゲットを絞り込まないと売れない」って問題が大きいからだ。
曰く、万人向けに作られた商品は万人向けであるがゆえに誰にも売れないらしい。
例えば万人向けに書かれた雑誌と20代男性向けに書かれた雑誌だったら後者を買うだろう、自分だってそうする。
3章の「差別化」は競合他社より一歩先に出るためには何をすればいいか、って話から始まった。
差別化戦略は3つしかないらしい。
- 手軽軸(手軽に済ませたい)
- 商品軸(とにかく良いものを)
- 密着軸(行きつけの店・ブランド化)
これらの中から一つの軸に絞って「どこか一つでも勝てる」って状態にしておくのがミソらしい。
2章の時にも書かれてたけれどもすべての軸を網羅しようとすると逆に特長がなくなって中途半端、誰にも選ばれないって結果に終わってしまうらしいので要注意。
4章の「4P」は顧客に価値を提供し、その対価としてお金をもらうための具体的な手段のことで
- product(製品・サービス)
- promotion(広告・販促)
- place(流通・チャネル)
- price(価格)
の4つから成っており「価値の提供と対価の集金」がキーワードになってるらしい。
「広告・販促」で価値を伝え、「経路・チャネル」で価値を届け、「製品・サービス」が価値を実現し、「価格」で対価を得る。
差別化戦略とこれら4Pに一貫性を持たせることが良いマーケティングの必要条件らしい
まとめて書き出してみると「当たり前のことをわざわざ書籍化までして…」って思ってしまったけれども、案外これができてない。
例えば就活。
あれだって「自分」って商品を売り込む一種の営業だったはずだ
なのに自分は、まず自分の価値を理解しないで、ターゲット(企業)を十把一絡げに選び、ESのひな型を作ってしまうとそれを大量生産で差別化を行っていなかった。
これじゃあ何十社受けてもいい返事が貰えないわけで。
就活前にこの本を開いてはいなかったけれども、マーケティングについては独自にいろいろと勉強していたんだけれどなぁ。
冒頭に紹介されてた「マーケティング脳」って本当大事。
内定をもらえた企業の面接で「将来どういう社会人になりたいか?」みたいな質問を受けた際、「自分の名前だけで仕事がとってこれるような社会人に」って答えたけれども。
そのためにまずは自分の価値を作って、売り込むための戦略を立てないとな。